
ーVoice.04
にんじんに合った
美幌の水と土で
将来のブランドを育てる。
【にんじん農家】一戸さん
【生産品目】にんじん、ビート、小麦、じゃがいも、玉ねぎ
【生産品目】
にんじん、ビート、小麦、
じゃがいも、玉ねぎ
【作付面積】法人全体:68ヘクタール(68町)
【作付面積】
法人全体:68ヘクタール(68町)
【法人】株式会社びほろ夢畑人(ゆめはーと)
【法人】
株式会社びほろ夢畑人(ゆめはーと)
経済学からスケートまで
様々な経験と知識で
農業に向き合う

私は昭和64年(1989年)に就農しました。就農以前から、地元に戻って来て欲しいという話はあり、休みになると実家に帰って手伝っていましたが、父の体調が悪くなっていたこともあり農家を継ぎました。その後、平成23年(2011年)には家族や仲間とともに「株式会社びほろ夢畑人(ゆめはーと)」として法人化し、ビート、小麦、じゃがいも、玉ねぎ、そして主力であるにんじんの5品目を約68ヘクタールという広大な面積で栽培しています。
実は大学は農業系の専攻ではなかったのですが、スピードスケートをしていた関係で、大学のOBの方に誘われて農学部に入学しました。そこで市場調査などの経済学を学んだことが、今思えば結果的にとても役に立っています。人生、何が役にたつかわかりません。息子たちも様々な勉強をしていますが、きっとそれが将来役立つと信じています。
私自身にとってこの土地で農業を続ける意味は、やはり生まれ育った場所であること、そして何より農業と、ライフワークであるスピードスケートを両立しやすいことですね。夏は農業で忙しいですが冬は時間ができるので、息子たちのスケート指導やコーチ、ボランティア活動に力を注ぐことができます。オリンピック選手に育った息子たちを支えられたのも、この土地で農業をしているからこそだと感じています。

土づくりを大切に
できるだけ早く
美味しく食卓へ
土づくりを大切に
できるだけ早く美味しく食卓へ
私たちが生産しているにんじんの美味しさの秘密は、まず「土作り」を基本にしていることです。土壌分析に基づいて品種に合わせた施肥設計を行い、余計な肥料は極力入れないようにしています。病気が出てから農薬を使うのは二の次で、まずは土壌環境を整えることが大切だと考えています。
また、連作障害を防ぐために、輪作(様々な作物を順番に栽培すること)の期間を広げ、にんじんを植える間隔を4~5年開けるという工夫もしています。これによって、次のにんじんを植えた時に、より歩留まりの良い高品質なにんじんが収穫できると考えています。組合の勉強会でもこうした土作りや輪作の重要性を共有し、広めています。

自然と向き合い
品質を守る農業の挑戦
自然と向き合い
品質を守る農業の挑戦
農業は自然との闘いでもあります。特に今年は高温や干ばつに見舞われ、種を蒔いてもなかなか発芽しないなど、非常に苦労しました。夜中に何時間も水やりをしたり、スプレーヤーで水を撒いたり、組合員みんなで懸命な努力をしました。それでも発芽しない畑もあり、本当に言葉にならない思いです。
出荷においては「収穫したその日選果」という取り組みを徹底しています。収穫したにんじんをしっかり冷やし、真空予冷にかけることで、市場に届いた時、そして食卓に並ぶ時にも傷みにくい状態で鮮度を保てるよう努めています。このシステムは市場からも高く評価されています。収量は少ないですが、品質が良いと評価されている「向陽二号」という品種にも積極的に取り組んでいます。


美味しさの秘訣は、
土と研究心
美味しさの秘訣は、
土と研究心
美幌は水捌けが良い火山灰土壌の畑が多く、何といってもにんじん栽培に適した土質が多く、良質なにんじんを育てることができます。私たちの農地は雨が降っても土にしっかり吸収される高台にあり、強みだと感じています。
美幌の農家はみんな研究心が高く、ただ作物を育てるだけでなく、どうすればもっと良いものが作れるかを常に考えて努力しています。そうした農家さんの努力する姿勢も、美幌の農業の大きな魅力だと感じています。
美幌のにんじんの味や見た目の魅力は、やはり土作りへのこだわりにあります。土壌の恵みを最大限に生かし、必要最低限の肥料しか与えないことで、にんじん本来の甘みや風味が引き出されているのだと思います。
食卓で味わっていただく際には、個人的には妻が作るナムルや、シンプルに生で食べるのがおすすめです。採れたての新鮮なにんじんは本当に甘くて美味しいですよ。昔は畑で採れたてをそのまま生でかじって喉を潤したりもしていましたね。新鮮なものなら、美味しく召し上がっていただけると思います。
足元ではなく、将来を見据えてブランドを育てる


地域の仲間やJAとの繋がりは私たちにとって欠かせないものです。美幌の農家は本当に頑張り屋さんが多く、お互いの栽培方法や工夫を積極的に共有しています。大変な時でもみんなで助け合い、情報を交換しながらより良いにんじん作りに取り組んでいます。こうした組合員さんたちの努力する姿勢が、美幌のにんじんを支える財産だと感じています。
次世代の農業者たちに伝えたいこと、残したい美幌のにんじん生産は、やはり「土作り」を農業の基本にすることです。短期的な収益を求めるだけでなく、将来を見据えて土を育てること、そして良いものを作るための研究心と努力を惜しまない姿勢を受け継いでいってほしいと願っています。
美幌のにんじん生産はまだまだポテンシャルがあり、さらに成長していくと信じています。将来の夢としては、面積を大きくすることよりも、単位面積あたりの品質と収量を高レベルで安定させることを目指したいですね。そうすることで、美幌のにんじんのブランド力をさらに高めて、国内はもちろん、将来的には海外へも高品質なにんじんを届けられるようになりたいと考えています。そのためにも「美幌のにんじんならいつでも高品質なものが手に入る」という消費者の皆様からの信頼を、地道な努力で築き上げていきたいと思っています。