
ーVoice.07
女性たちが「頑張ろう」と
思える場所を、
子どもたちが「帰ろう」と
思える地域を。
【JAびほろ女性部】伊藤さん

元気になって、また家に帰って
頑張れる場所でありたい
元気になって、
また家に帰って
頑張れる場所でありたい
美幌のJA女性部で活動している伊藤と申します。私は美幌出身ではなく、結婚を機にこの地に移り住みました。実家はサラリーマン家庭だったため農業に関する知識や関わりはゼロからのスタートでした。
約40年前、結婚してすぐに義母の勧めもあってJA女性部に参加することになりました。当時はほとんどの農家の女性が加入するのが当たり前のような状況で「入るのが当たり前」という流れでした。近所の方々も皆入っていたので、「仲間に入れてもらえる」という気持ちで活動を始めました。
現在のJA女性部では、昔のように全ての農家の女性が入っているわけではありませんが、それでも約50名の部員が活動しています。自由参加ではありますが、同じ町に住み、同じ農業に携わる人々が関わる場所は他にありそうでなく、長年活動を続けてこられたことは大変良かったと感じています。ここでの集まりが、皆にとって「楽しめて、元気になって、また家に帰って頑張れる」場所でありたいと願っています。
交流と学び、
チームワークで農業を支える
交流と学び、
チームワークで農業を支える
女性部には30代から80代まで幅広い年代のメンバーが所属しており、活動は年代に応じて、若い世代は「フレッシュミズ」、現役世代の私たちは「女性部」、そして先輩方は「すみれ会」として、それぞれに活動を行っています。年代を超えた交流があるのも魅力の一つです。
私たちは年間を通じて、研修や交流会を実施しています。6月にはお弁当を食べながら交流を深めるスポーツ交流会。12月には北見エリアのJA女性部14箇所が一堂に会する女性部との交流など、地域の農業を支える女性の交流会があります。また、道内や道外での研修についても実施しています。工場や直売所、観光施設などを訪問したり、他の地域の農業や流通の現状を視察したりと、他地域について学びながら農業について理解を深めます。7月には、宿泊を伴う研修に参加できない部員のために、1日で参加できる研修を。収穫期が落ち着く11月には「勉強」を目的とした冬季研修を行います。JA職員の方や組合長・専務にも出席いただき、グループに分かれて意見交換を行うことでJAと部員間の連携を深めています。

想いを届ける、夏の直売所
想いを届ける、夏の直売所
夏場は直売所を通じて、地域の農業と住民、来訪者との接点づくりや発信にも取り組んでいます。夏の期間限定ではありますが、地域の食を支える重要な拠点です。
私自身は直売所に野菜を出品していませんが、多くの女性部員が畑の仕事をしながら愛情込めて作った野菜等を販売しています。忙しい農作業の合間を縫って良いものを作り出し、直売所に出荷する彼女たちの努力には本当に頭が下がります。地域の方々が地元のものを買いに来る場所として、直売所は地域と「食」を繋ぐ大切な役割を担っています。


女性同士の共感から得られた
元気と、発見の喜び
女性同士の共感から得られた
元気と、発見の喜び
就農当初は、農業の知識もなく目の前の作業をこなすのが精一杯で、正直なところ「面白い」とは感じられませんでした。景色がどれだけ綺麗でも、鳥が鳴いていても、耳にも目にも入らないほど余裕がなかった時期もありました。ですが女性部に参加し、同じ年代の仲間たちと何気ない話をすることで「みんなも頑張っているんだ」と共感し元気をもらえました。そして経験を積むうちに作業の工夫ができるようになり、気持ちにも体力的にも余裕が生まれていきました。だんだんと美幌の畑の美しい景色や自然にも気づけるようになり、農業と共に暮らすことの楽しさを感じられるようになったのは、女性部の仲間との繋がりがあったからだと思います。

新しい仲間づくりと文化の継承
新しい仲間づくりと
文化の継承
今後女性部として取り組んでいきたいことは、何よりも「新しい仲間を増やすこと」です。長年同じ活動を続けてきた部分はありますが、今よりもっと多くの人が参加できるような工夫を凝らしたいと思っています。女性部の活動を通して私たち自身が元気をもらい、農業や地域での暮らしが豊かになった経験があるので、この良さをより多くの人に伝えたいという思いがあります。
また、女性部には「ボランティアグループ」と「加工部」という2つのグループがあり、加工部では長年にわたり「味噌作り」を行っています。美幌産の大豆と地元の加藤麹屋さんの生の麹を使い、添加物の入らない手作りの味噌を仕込む活動は、昔は各家庭で行われていましたが、今は少なくなってきています。この美幌の味噌作りの文化は、ぜひ次世代にも引き継いでいきたい大切な農村文化だと感じています。

子どもたちが「帰ってきたい」と
思える場所を、これからも
子どもたちが「帰ってきたい」と
思える場所を、これからも
美幌の農業の面白さは、何よりも「水の豊かさ」にあると感じています。蛇口をひねれば美味しい水が出るだけでなく、農業用水にも困ることがありません。広大な畑に水をまく光景は圧巻で、他の地域の人から見ても驚かれるほどです。2年前に千葉県の女性部と交流した際、美幌の広大な畑の景色に相手の方が非常に感動されていたのを見て、地元にいながら改めてこの土地の広さや美しさを再認識しました。恵まれた水資源が、美幌の農業を支えていると強く感じています。
私たちは、JAの広報誌などを通して活動を積極的に発信していますが、今後も地域全体に女性部の活動が周知され、興味を持ってもらえるように様々な方法でアプローチしていきたいと考えています。子どもたちが一度都会に出ても「帰ってきたい」と思えるような、故郷として愛着を持てる町であり続けるために、これからも女性部として地域の食と暮らしを支え、農村文化を次世代に繋いでいく活動に尽力していきたいです。